
『ドンキーコング バナンザ』の開発チームは、完璧なフレームレートよりも没入感のあるゲームプレイ体験を選択しました。 チームがパフォーマンスの課題にどのように取り組み、何が『バナンザ』を『スーパーマリオ オデッセイ』と差別化させるのかを解説します。
『ドンキーコング バナンザ』発売が目前に迫る
フレームレート低下は存在するが、任天堂は「楽しさ」と「遊びごこち」を優先

『ドンキーコング バナンザ』の発売が近づく中、高橋和也監督は、時折起こるフレームレート低下は優れたゲームプレイのための意図的なトレードオフであったことを明かしました。7月10日のインタビューで、高橋監督は大規模な破壊シーンでパフォーマンスが低下することを認めつつも、チームが遊びの楽しさに焦点を絞っていることを強調しました。
「ヒットストップやスローモーションといった視覚効果を、インパクトを高めるために意図的に取り入れました」と高橋監督はLa Vanguardia紙に語りました。「我々のボクセルベースの破壊システムにおいて、特定の劇的な環境崩壊はパフォーマンスに影響する可能性があります」。
プロデューサーの元倉健太氏は、このプロジェクトが当初は初代Switchをターゲットとしていたものの、Switch 2の高度な性能に対応するために進化したことを明かしました。「連鎖反応と無数の破壊可能オブジェクトを描く我々のビジョンを実現できるのは、Switch 2の性能だけでした」と元倉氏は説明しました。

高橋監督は彼らの技術的成果についてこう語りました。「パーティクルエフェクト、サウンドデザイン、オブジェクト物理演算への細心の注意を通じて、破壊の爽快感を追求し完成させました。作り、壊すというゲームプレイの循環構造こそが、私たちの最も大きなデザイン上の成功です」。
『スーパーマリオ オデッセイ』との違い

『スーパーマリオ オデッセイ』(その開発チームが『バナンザ』に貢献)のDNAを多少受け継ぎつつも、元倉氏は彼ら独自のアプローチを強調しました。「ボクセルベースの破壊はゲームプレイを根本から変えます。『オデッセイ』のように、自己完結した楽しいステージを作りましたが、破壊がプレイヤーに独特の主体性をもたらします」。

高橋監督は付け加えました。「環境破壊を中心とした複数の進行ルートを作りました。毎回遊ぶたびに新鮮な破壊の可能性が生まれます」。 元倉氏は、DKの体格や性格をゲームの仕組みに落とし込むことについて、チーム内で広範な議論が交わされたとも指摘しました。
DK生みの親・宮本茂への相談と『バナンザ』の始まり

開発チームは、宮本茂氏にDKの中核的なアイデンティティについて意見を求めました。「アーケード版クラシック作品以来の宮本の発想である、都市とジャングルの二項対立は守りました」と元倉氏は述べました。エグゼクティブプロデューサーの小泉歓晃氏(『ドンキーコング ジャングルビート』監督)は、DK特有の身体能力を活かすことに重点を置いたと強調しました。

元倉氏は『バナンザ』誕生の経緯を共有しました。「小泉氏が当社の『オデッセイ』チームに、DKを3Dで再構築できないかと打診してくださいました。私たちは、DKを特別な存在にしている全ての要素——その力強さ、リーチの長さ、姿勢——を検討し、これらの特性を中心にゲームの仕組みを構築しました」。
2025年7月17日(Switch 2専用)の発売が目前に迫り、DKとポリーンの冒険への期待が高まっています。発売前の最終情報をお見逃しなく!
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